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連載 紀行エッセイ「歩いて旅した東海道」
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袋井
七月、梅雨の晴れ間を狙って歩き出したが、予想以上の暑さで消耗が激しい。そんなときに限って休憩するような場所はもちろん、日陰すらない。とにかく先に進まなければと水…
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掛川
菊川坂でYさんと出会い、道中を共にしたのは先月のこと。城好きのYさんは私が金谷で諏訪原城跡に寄らなかったのを残念がり、掛川城は是非と勧めてくれたが、そのとき私は…
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日坂
緑豊かな石畳の金谷坂を上っていく。一番茶の収穫が終わり、枝も露わな茶畑を過ぎると、道は鬱蒼と丈高い杉林に入る。木陰の石畳は涼しく、道のでこぼこに気を取られるせい…
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金谷
現在大井川下流には、十以上の橋が架かっている。道が出来、鉄道が通るたびにこれらの橋が造られていったが、その中で先鞭を切ったのが、いま歩いている大井川橋だ。…
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島田
まだ薄暗いうちに藤枝を出発、あちらこちらに立ち寄り、島田に着いたのは九時ごろだった。かつて宿場が置かれていたところは、現在信用金庫や自転車屋、薬局、洋品店といっ…
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藤枝
岡部の光泰寺で拝観した木喰《もくじき》仏が、脳裏に焼き付いている。富士山と富士川に挟まれた甲斐国丸畑に生まれた木喰は、宝暦十二年(一…
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岡部
連歌師宗長が丸子滞在中に書き残した手記や日記の一つに、『宇津山記』がある。この宇津山はこれから越えようとしている宇津ノ谷峠周辺のことだ。冒頭、宗長はこう…