心に留まった風景

石舞台古墳

あまりにも有名な石舞台古墳ですが、何度訪れてもその偉容に圧倒されます。七世紀前半ごろのもので、被葬者は蘇我馬子ではないかと言われています。

もちろん最初は盛り土に覆われおり、調査により方墳だったことが明らかになっていますが、二段式だったのかそれとも三段式だったのか、あるいは墳丘の上の封土はどのような形をしていたのかといったことまではわかっていません。墳丘が失われたのは、かなり早い時期だということで、石舞台古墳が初めて文献に登場する江戸時代の初期には、すでに現在のような姿になっていました。

巨大な花崗岩は近くを流れる冬野川から運ばれましたが、これを築き上げるのにどれほどの労力を要したことでしょう…。考えるだけで気が遠くなりますが、逆にそれは被葬者がいかに大きな権力の持ち主だったかということでもあります。

 

古代人の肉体的な力と権力の大きさは計り知れません。

 

 

 

関連記事

  1. 心に留まった風景

    道明寺天満宮の梅

    四月頃の陽気になったかと思えばまた真冬に逆戻りと、このところ気温の急激…

  2. 心に留まった風景

    東寺の夜桜

    京都の東寺にひときわ眼を惹く枝垂れ桜があります。不二桜…

  3. 心に留まった風景

    備前焼の里 伊部

    岡山県東部に位置する備前市の伊部《いんべ》は、日本六古窯の一つ備前焼の…

  4. 心に留まった風景

    琵琶湖畔 志那浜に集う渡り鳥

    冬になると琵琶湖には様々な種類の渡り鳥がやってきます。琵琶湖は…

  5. 心に留まった風景

    甘樫丘

    奈良県明日香村にある甘樫丘《あまかしのおか》は標高百五十メートル足らず…

  6. 心に留まった風景

    松花堂

    寛永の三筆の一人として知られる松花堂昭乗(他は本阿弥光悦と近衛信伊)。…

最近の記事

連載記事

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

  1. 古社寺風景

    壺阪寺
  2. 寄り道東海道

    諏訪原城跡
  3. 古社寺風景

    因幡堂(平等寺)
  4. 心に留まった風景

    東寺の夜桜
  5. 祭祀風景

    祇園祭 還幸祭
PAGE TOP