旧東海道のひとこま

49.坂下~土山(写真をクリックすると拡大されます)


鈴鹿の山々に向かって歩きます


ようやく見えてきた集落が坂下宿 数十軒の民家が寄り添う静かな集落です


坂下は小さな宿場でしたが鈴鹿峠越えを控えていたので本陣は三軒ありました こちらはそのうちの一軒 大竹屋本陣跡


こちらは松屋本陣跡 坂下では宿場時代の建物は何も残っていません


旧東海道から北に三十メートルほど入った高台に鎮座する曹洞宗の法安寺 永正二年(一五〇五)開基と伝わります


民家が途切れ辺りが山道の雰囲気になってきたころ 旧東海道の北に岩屋観音が現れます 元禄時代に旅人の道中安全を願って岩の断崖をくりぬきいて阿弥陀如来 十一面観音 延命地蔵の石像三体を安置したもので 奥の岩場には小さな滝もあります


坂下宿を過ぎると旧東海道はいったん国道一号線に合流します


片山神社の石標のところからまた旧道へ そこから先はいよいよ峠越えの山道になります


まだ平坦な山道を歩いていくと片山神社が見えてきます 延喜式内社ですがいまは朽ち果てています


片山神社を過ぎるといよいよ上りになりますが その手前に鈴鹿流薙刀術発祥之地の碑が立っています


静かな峠越えの道 さほどきつい道ではありません


国道一号線を越え再び旧道に入ったところに芭蕉の句碑 ほっしんの初めに越ゆる鈴鹿山


芭蕉句碑から先はこのような道になります 昔は八町二十七曲りと呼ばれた難所だったので覚悟して上っていきましたが


あっけなく峠に到着です


鏡岩と呼ばれるこの岩は別名鬼の姿見といい 立烏帽子という鬼女が鏡代わりに使った岩と言われています また山賊がこの岩で待ち伏せして鏡岩に映った旅人を襲ったという伝説もあります


鈴鹿峠を越えると明るい茶畑が目に飛び込んできます


滋賀県側の峠道を下っていくと巨大な常夜燈が聳えたっています 高さは五メートル四十四センチ 江戸時代の中頃に四国の金毘羅神社の常夜燈として鈴鹿峠に建てられたものです


道を下りきったところで国道一号線に合流します


新名神の橋脚近くに山中一里塚公園があります 日本橋から数えて百九番目の一里塚でした


旧道沿いにかつて間の宿だった猪鼻村があります


再び国道一号線に合流 道が少しずつ下りになってきます ここまで来ると次の土山はもうすぐです
  1. 古社寺風景

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  2. 古社寺風景

    大原野神社
  3. お知らせ

    「季刊文科 95号」に拙文が掲載されました
  4. まちなみ風景

    喜連の環濠集落(一)
  5. 寄り道東海道

    伊賀八幡宮
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