旧東海道のひとこま

41.鳴海~宮(写真をクリックすると拡大されます)


有松を出て三十分ほどで鳴海宿に到着


鳴海宿は現在静かな住宅街です 有松のような絞りのお店もありません


扇川を渡ると右手の高台に曹洞宗の瑞泉寺があります 瑞泉寺は四國直傳弘法八十八カ所の第一番札所 四國直傳弘法八十八カ所とは四国に似て温暖で風光明媚な知多半島に大正時代に開設された霊場のことです


旧東海道からほんの少し北に入った高台には真宗高田派の万福寺 室町時代の永享年間 三井高行により創建されたと伝わります


本町交差点を右(北)に曲がった高台にはお寺が点在しています こちらは四國直傳弘法八十八カ所の第二番札所の誓願寺 境内には芭蕉供養塔と芭蕉手植えの古木で彫刻した芭蕉像(要拝観予約)が安置されている芭蕉堂があります


誓願寺の斜め向かいには天神社 ここは鳴海城跡でもあります


本町交差点に戻り再び旧東海道へ こちらは本陣跡 鳴海宿の本陣は一軒でした


三辻になった作町から旧東海道は北に向かいます 北上して一キロ半ほどのところに縄文時代の鉾ノ木貝塚があります 土器も出土しています


鉾ノ木貝塚の北東高台にある千句塚公園には 芭蕉自らが築いた句碑があります(生前唯一)貞享四年(一八八七)に「星崎の闇を見よとや啼く千鳥」を発句とする歌仙が当地で催されたことを記念して建てられた句碑だとか


千句塚公園のところで旧東海道は左折し西へ 天白川を渡ります


旧東海道が北西に向きをかえた先に笠寺の一里塚 現在は東側だけ残っています 日本橋から数えて八十八番目の一里塚です


ほどなく笠覆寺 通称笠寺観音前に出ます 笠覆寺は天平五年(七三三)創建と伝わる真言宗の古刹 尾張三十三観音 名古屋二十一大師などの札所になっていることからいつも参拝者で賑わっています


笠覆寺の周辺にはお寺が点在しています このあたりは一種独特の雰囲気 熱心な信仰が渦巻いています


笠寺の商店街を抜け名鉄の線路と並行するように北上します


「これより北よびつぎ」の表示 東海道の七里の渡しの船の出発を呼び継いで知らせたことに由来する地名と言われています


弘仁十二年(八一一)弘法大師が当地に巡礼した際 夢のお告げで呼続浜に清水枳尼眞天(しみずだきにしんてん)を鎮守神として寛蔵寺という寺を創建 後に長楽寺と名を改めました 現在も広い境内にいくつものお堂が点在 動物霊園としても知られます


名鉄名古屋線に並行するように北西方向に進む旧東海道 このように所々表示が出ています


表示に「山崎城址 安泰寺」と出ていたその安泰寺です 名鉄の線路を越えた高台にあります 山崎城は蔵人浄盤(どのような人物かわかりません)が築いた城ですが築城年は不詳 次の城主は信長の小姓だった加藤弥三郎 三代目城主は御器所西城の佐久間信盛 天正八年(一五八〇)に信盛が信長に追放された際山崎城も廃城になりました 名鉄の線路があるところがかつての壕と言われています


名古屋高速大高線を越え北西へ


国道一号線に合流します


JRの踏切を渡り再び旧道へ ここまで来るとまもなく熱田 宮宿はもうすぐです
  1. 祭祀風景

    往馬大社の火祭り
  2. まちなみ風景

    大阪市中央公会堂
  3. 寄り道東海道

    元箱根の石仏
  4. 歴史散歩

    向日神社と元稲荷古墳、五塚原古墳(2)
  5. 祭祀風景

    吉田神社 火炉祭
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