旧東海道のひとこま 

21.丸子~岡部 (写真をクリックすると拡大されます)


丸子宿江戸方見付の表示 ここから先が丸子宿でした


正面には山 丸子宿は宇都ノ谷峠を控えた山裾の小さな宿場でした 旧東海道は丸子宿を過ぎると次第に山懐に入っていきます


丸子川沿いに水神社 その手前に丸子下宿の表示


旧東海道は蛇行する丸子川に接近したり離れたりしながら西へ


丸子では玄関先などにかつての屋号が掲げられています


こちらは本陣跡 丸子は小さな宿場だったので本陣は一軒だけでした


こちらは二軒あった脇本陣跡の一つ


宿場が終わりかけたあたりにとろろ汁で有名な丁字屋があります 建物は移築したものですが広重の描く丸子宿の風景そのままの雰囲気


丁字屋を出ると丸子宿も終わりです 京方見付の表示とともに高札場の表示も


寄り道して吐月峰柴屋寺へ 連歌師宗長ゆかりの寺です


丸子は日本の紅茶発祥の地 旧幕臣多田元吉が中国やインドで紅茶の製造技術を学び 幕府から払い下げられた土地に茶園を開き紅茶づくりを始めました


旧東海道はこの先宇都ノ谷峠を越えます 少しずつ山が迫ってきます


旧東海道は国道一号線に合流 猛スピードで走り抜ける車と排気ガスに酷暑が加わりげんなりしてきます 宇津ノ谷まで我慢の道です


道の駅の脇に宇都ノ谷峠越えの古道つたの細道への入り口があります 宇都ノ谷峠越えの道はいくつもありますが つたの細道はその中で最古です 「伊勢物語」「更級日記」など多くの文学作品にも採り上げられています


旧東海道の峠越えの道は歩道橋を渡り宇津ノ谷の集落を抜けた先から


歩道橋を渡るとまた旧道に入ります 静かな集落を進みます


峠越えを控えた宇津ノ谷は間の宿でした 宇津ノ谷のことは連載岡部の会で取り上げています


宇津ノ谷の集落にある慶龍寺にはこんな伝説があります 昔宇津ノ谷峠に旅人を食う鬼が現れ 在原業平の祈願で地蔵菩薩が旅僧に姿を変えて鬼と対決しました 旅僧が人間の姿に化けた鬼に正体を現せと言うと大鬼に変身 小さくなれるかというと鬼は小さな玉となり旅僧の手に乗ったので 旅僧は持っていた杖でその玉を砕いて十粒に砕かれた鬼を飲み込んだところ 鬼の災いはなくなりました 以後この寺では道中守護のために「十団子」が作られています


集落を抜けるとすぐに山道に入ります


山中に地蔵堂跡地があります 河竹黙阿弥作の歌舞伎「蔦紅葉宇津ノ谷峠」で金ほしさに文弥を殺してしまう場面はここが舞台でした 鬱蒼とした山中の雰囲気が作者の想像力をかきたてたのでしょう


無事峠を越えると坂下地蔵堂があります 旅の安全を願う人々の思いが感じられます


こちらは明治のトンネル 旧東海道を通る人たちのために明治九年に造られた日本初の有料トンネルです 当初はくの字型に折れ曲がったトンネルでしたが火災で一部崩壊、現在のこのトンネルは静岡側を直線に直し明治三十七年に完成したものです


宇津ノ谷峠を越えると岡部宿はもうすぐです


民家がぽつりぽつりと現れ 人心地つきながら岡部を目指します
  1. 古社寺風景

    深大寺
  2. 祭祀風景

    京都の節分 祇園八坂神社
  3. 寄り道東海道

    広重の住居跡
  4. 古社寺風景

    大聖観音寺
  5. 祭祀風景

    コロナ禍の祇園祭
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