心に留まった風景

東寺の夜桜

京都の東寺にひときわ眼を惹く枝垂れ桜があります。

不二桜といって高さが十三メートルにもなる立派な桜です。樹齢は百二十年ほど。平成十八年(二〇〇六)に東寺に移植されたもので、東寺の長い歴史を思えば、ここに根を下ろすようになったのはつい最近のことですが、いまや東寺の風景に欠かせない存在になりました。

夜空に浮かび上がるその姿はどこか神々しく、五重塔と見事に調和しています。

  

金堂の薬師三尊や講堂の御仏たちは、昼間拝観する以上に、彫りの陰影が際立ち、御顔も金色に輝いて見えました。

 

 

 

関連記事

  1. 心に留まった風景

    醍醐寺の桜

    今年は例年になく桜の開花が早く、桜前線はすでに東北に至っています。梅の…

  2. 心に留まった風景

    京都 清流亭と碧雲荘の桜

    京都南禅寺周辺にあった塔頭《たっちゅう》跡地に、明治の政財界人たちが琵…

  3. 心に留まった風景

    湖北のコハクチョウ

    琵琶湖の北、湖北と呼ばれる一帯には、さまざなま渡り鳥が飛来します。なか…

  4. 心に留まった風景

    甘樫丘

    奈良県明日香村にある甘樫丘《あまかしのおか》は標高百五十メートル足らず…

  5. 心に留まった風景

    本居宣長旧宅 鈴屋

    国学者本居宣長は、江戸店持ち商人が活況を呈していた松阪で、木綿問屋を営…

  6. 心に留まった風景

    興福寺南円堂の不空羂索観音菩薩坐像

    西国巡礼の第八番札所は初瀬の長谷寺です。長い登廊の先に現れる本堂は、山…

最近の記事

連載記事

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

  1. 心に留まった風景

    越畑と樒原
  2. 古社寺風景

    穴太寺
  3. 歴史散歩

    依網池
  4. 寄り道東海道

    西明寺
  5. まちなみ風景

    道修町
PAGE TOP