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ちょうど二年前の二〇二三年に、父高橋英夫の遺品(直筆原稿、ノート、文学者の方たちからいただいた署名本、書、書簡など)を多数日本近代文学館に寄贈しましたが、まだ未整理のものが残っていました。
二〇二三年当時は実家じまいの作業と同時並行ということもあり、それらが一段落すると気が抜けたようにそのまま放置していましたが、このたびようやく残りの書簡を寄贈することができました。取りかかってしまえば何ということはないのですが、さあやろうと腰を上げるまでがなかなか大変でした。
今月発行の日本近代文学館の館報で寄贈受入の報告をしていただきました。
父の時代はメールはありませんでしたので、人とのやりとりは直接会うか電話をするか手紙を書くかの三択でした。父にとって主な通信手段が手紙だったということもあり、父の元には毎日のように手紙が届いていました。その中から文学関係のものを選び出し、結果的に二年前と今回とで千通を超える書簡を寄贈しました。差出人は昭和の文学を支えた方々、錚々たる面々です。最近手紙をやりとりする機会がめっきり減りましたので、書簡という形の文学資料は今後衰退の一途をたどるでしょう。その意味でも書簡は貴重な資料です。それらを研究資料として活用するところまでもっていくのは容易なことではありませんが、手紙から読み取ることのできるさまざまな事柄を何らかの形で活用していただく前段階のお手伝いはできたかもしれません。
あと残り一回で父に関する遺品の寄贈はすべて完了する予定です。