心に留まった風景

終い弘法

京都の東寺では、弘法大師の月命日にあたる二十一日に弘法市が開かれますが、一年の最後にあたる十二月二十一日は終い弘法と呼ばれ、通常より多くの露店が並び賑わいます。

以前弘法市に行ったのは春でした。そのときは着物を扱うお店が多く目に付き、しつけ糸がついたままの大島などが山積みになっているのに驚きましたし、古伊万里や李朝など骨董好きにはたまらない露店もずいぶん見かけました。何か良い物があったらと探し始めたものの、目移りばかりしているうちにへとへとになって、結局何も見つけることができずに終わったのですが、これだけのものが集まるのはさすが京都だなと感心し、同時に弘法市でこれというものを見つけるには、それなりの経験と根気が必要だということも痛感しました。

終い弘法では年末ということから、お正月に関連した食材や松竹梅の鉢植えなどが多く目に付きました。弘法市で買ったもので新年を迎える。京都ならではの年末の風景です。

 

 

 

関連記事

  1. 心に留まった風景

    大阪造幣局桜の通り抜け

    大阪にも桜の名所が数多ありますが、種類が多くしかも大半が八重という点で…

  2. 心に留まった風景

    旧竹林院

    琵琶湖南西、比叡山の麓の坂本には多くの里坊があります。比叡山にある山坊…

  3. 心に留まった風景

    安養寺

    前回触れた恩智遺跡は高安山西麓の扇状地にあり、中心は恩智神社旧社地の天…

  4. 心に留まった風景

    旧三井家下鴨別邸

    賀茂川と高野川が合流する鴨川デルタの北、京都下鴨神社(賀茂御祖神社)の…

  5. 心に留まった風景

    備前焼の里 伊部

    岡山県東部に位置する備前市の伊部《いんべ》は、日本六古窯の一つ備前焼の…

  6. 心に留まった風景

    錦市場

    二〇一七年も残すところあと一日となりました。京都の錦市場もお正…

最近の記事

連載記事

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

  1. 古社寺風景

    比叡山横川
  2. 寄り道東海道

    うつくし松
  3. すばらしい手仕事

    線香花火
  4. 心に留まった風景

    松花堂
  5. すばらしい手仕事

    葛布
PAGE TOP