心に留まった風景

石舞台古墳

あまりにも有名な石舞台古墳ですが、何度訪れてもその偉容に圧倒されます。七世紀前半ごろのもので、被葬者は蘇我馬子ではないかと言われています。

もちろん最初は盛り土に覆われおり、調査により方墳だったことが明らかになっていますが、二段式だったのかそれとも三段式だったのか、あるいは墳丘の上の封土はどのような形をしていたのかといったことまではわかっていません。墳丘が失われたのは、かなり早い時期だということで、石舞台古墳が初めて文献に登場する江戸時代の初期には、すでに現在のような姿になっていました。

巨大な花崗岩は近くを流れる冬野川から運ばれましたが、これを築き上げるのにどれほどの労力を要したことでしょう…。考えるだけで気が遠くなりますが、逆にそれは被葬者がいかに大きな権力の持ち主だったかということでもあります。

 

古代人の肉体的な力と権力の大きさは計り知れません。

 

 

 

関連記事

  1. 心に留まった風景

    円山公園の枝垂れ桜

    東京にいた頃は、桜というと染井吉野で、上野公園や地元の川沿いの染井がし…

  2. 心に留まった風景

    犬鳴山七宝瀧寺

    厳しい暑さが続いています。今年は梅雨明けが遅く七月後半でもさほど気温が…

  3. 心に留まった風景

    天空の御師集落 東京青梅の御岳山

    大都会新宿から電車で西に一時間ほど行くと、窓の外は多摩川上流の渓谷風景…

  4. 心に留まった風景

    俊徳丸鏡塚古墳(高安千塚古墳群)

    前回俊徳街道について少しばかり触れました。この街道は大阪の四天王寺と生…

  5. 心に留まった風景

    東寺の夜桜

    京都の東寺にひときわ眼を惹く枝垂れ桜があります。不二桜…

  6. 心に留まった風景

    霧の比叡

    取材は好天を狙って出ることが多いため、撮りためた写真も青空を背景にした…

最近の記事

連載記事

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

  1. 心に留まった風景

    天空の御師集落 東京青梅の御岳山
  2. 古社寺風景

    法観寺(八坂の塔)
  3. 古社寺風景

    天照大神高座神社
  4. 古社寺風景

    松尾寺
  5. 祭祀風景

    六波羅蜜寺の萬燈会
PAGE TOP