東海道の祭

風まつり

旧東海道の復路を歩いていたら、豊川市小坂井の菟足うたり神社でちょうどお祭りの最中でした。

菟足神社は連載の御油でも触れたように、雄略天皇の時代に当地の国造くにのみやつことして功績のあった菟上足尼うなかみのすくねを御祭神としてお祀りしています。

 

  

風まつりは毎年四月の第二金、土、日の三日間行われる菟足神社の例祭。昔は人身御供の生け贄神事が行われていましたが、いつしかそれが猪になり、さらに後に雀十二羽に改められたと伝わります。

猪を生け贄にしていた時代の様子は『今昔物語』や『宇治拾遺物語』にも記されています。

祭の初日に行われている雀射初すずめいそめ神事、二日目に行われている雀射収すずめいおさめ神事、三日目に行われている雀献供がその名残で、かつては実際に雀を射ていましたが、現在は空に向かって矢を放つだけです。

現在の風まつりは、かつての生け贄神事をベースに、山車や舞(稚児舞、獅子舞、神楽舞、笹踊り…)、手筒・大筒煙火(花火)、田植え神事などさまざまな神事が行われ、祭のオンパレードといった感じです。

  

こちらは大筒煙火。手では持てないほど大きいので、このような台に乗せられています。筒の花火は三河地方ならではのもので大変迫力があります。

東海道を歩いているとき偶然目にしたので、祭の全体像をつかめてはいないのですが、豊川市教育委員会によると、祭の前半では海と山の狩猟、後半では狩猟と農耕を一体化した形が見られるほか、三河地方に伝わる祭礼芸能をよく留めているところに特徴があるようです。

往路は静かな旧東海道でしたが、復路は祭のおかげで賑やかで、同じ旧東海道が全く違うものに感じられました。

 

ちなみにこちらは風まつりで売っている風車。風車の六枚の羽根は俵の形なのだそうです。一反の田んぼから六俵の米がとれるようにという豊作への願いに加え、六俵は「無病」に通じることから健康への願いが込められています。

 

 

 

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